目次
1.カンボジアの治安と物価事情
東南アジアの中でもアンコールワットを有する歴史的観光地として人気のカンボジア。バックパッカーから家族連れまで、さまざまな旅人が訪れるこの国ですが、「治安は大丈夫?」「物価は安いって本当?」といった不安を抱える方も多いのではないでしょうか。
この記事では、実際に2025年にカンボジアを訪れた筆者の体験をもとに、首都プノンペンや観光地シェムリアップの治安状況、物価のリアルな相場感、トラブルの回避法まで詳しく解説していきます。
これからカンボジア旅行を考えている方が、安心して旅を楽しむための「現地の今」をお届けします。初めて訪れる方はもちろん、リピーターにも役立つ情報をぎゅっと詰め込みました。ぜひ旅の参考にしてみてください。
2. カンボジアの治安事情をチェックしよう
カンボジアは比較的穏やかな国といわれていますが、観光客として訪れる際にはやはり注意すべき点があります。首都プノンペンや人気観光地シェムリアップを中心に、具体的な治安情報と対策をご紹介します。
2-1. シェムリアップの治安:観光地ならではの注意点
アンコールワットがあるシェムリアップは、観光インフラが整っており、警備も強化されています。昼間は治安が良好で、一人旅でも安心して散策できますが、夜間の一人歩きは避けるのが無難です。特にパブストリート周辺では、酔っ払い同士のトラブルやスリ、置き引きが起こることもあります。
また、子どもが近寄ってくる場合がありますが、物乞いや詐欺の可能性もあるため、お金を渡すのは控えましょう。観光客を狙った詐欺もゼロではないため、ツアーやマッサージなどは信頼できる店舗か事前予約が安心です。
2-2. プノンペンの治安:スリ・ひったくりに要注意
プノンペンは政治・経済の中心地であり、人やバイクの往来が非常に多いエリア。スリやひったくりが特に多いとされています。バイクに乗ったままバッグを奪われる「バイクスナッチ」が典型的な手口。肩掛けバッグではなく、リュックやウエストポーチを前に抱えるスタイルが安全です。
また、スマホを手に持ったまま歩くのも危険。現地では「手に持ったスマホは奪われるもの」と心得て、使用時は建物の中や安全な場所で使うようにしましょう。
2-3. 実際にあったトラブル事例と予防策
以下は筆者が現地で聞いた、もしくは体験したトラブル事例の一部です。
-
夜道を歩いていてバイクに囲まれ、荷物を狙われた(シェムリアップ郊外)
-
観光ガイドを装った偽スタッフに料金を請求された(アンコール遺跡周辺)
-
ATM使用時にカードスキミング被害にあった例(プノンペン)
こうしたトラブルを避けるには、
-
必ず信頼できるホテル・ツアー会社を利用する
-
両替は正規の銀行・両替所を使う
-
外では目立つ装飾品を身につけない
-
貴重品を分散して携帯する
といった対策が有効です。
3. カンボジアの物価事情|予算の目安と現地での出費感覚
カンボジアは東南アジアの中でも比較的物価が安い国として知られています。日本と比べると驚くほどリーズナブルに旅行できるため、長期滞在や節約旅行にもぴったりです。ここでは、旅行者が気になる具体的な費用感をジャンル別に紹介します。
3-1. 食費:屋台ごはんは1~3ドルで大満足
カンボジアの屋台やローカル食堂では、クメール料理が1ドル~3ドルで楽しめます。定番の「アモック(魚のココナッツカレー)」や「ロックラック(牛肉の炒め物)」はどれもボリューム満点で、味も日本人好み。
高級レストランでも10〜15ドル程度で食事できるため、コスパは抜群です。
コーヒー:約1ドル、ビール:約0.5〜1ドル、屋台のヌードル:約1.5ドルと、外食中心の旅でも財布に優しいのが魅力です。
3-2. 宿泊費:1泊5ドル〜のゲストハウスから高級ホテルまで
宿泊費も大きな魅力のひとつ。ドミトリータイプのゲストハウスは1泊5ドル前後、個室でも10〜20ドルで清潔な部屋に泊まれます。
一方、リゾートホテルやブティックホテルも充実しており、30〜100ドル程度でプール付き・朝食付きの快適なホテルに宿泊可能。シェムリアップでは日本人向けサービスの整った宿も多数あり、初心者にも安心です。
3-3. 移動費と観光費:トゥクトゥクや遺跡入場料の目安
現地の移動はトゥクトゥクが主流。シェムリアップ市内なら片道2〜3ドル程度で利用可能。交渉制のため、事前に金額を確認しましょう。
観光費の大きな割合を占めるのは「アンコールワット遺跡群の入場料」。2025年現在の料金は以下の通りです:
-
1日券:37ドル
-
3日券:62ドル
-
7日券:72ドル
バス移動(例:プノンペン〜シェムリアップ)は片道8〜15ドル程度。SIMカードや通信費も安く、7日間で3〜5ドルのプランもあります。
4. 私の体験談|ローカルの笑顔と市場で食べた「奇跡の一皿」
初めてカンボジアを訪れたとき、私は観光地として有名なアンコールワットだけでなく、現地の暮らしや食文化に触れることを旅の目的にしていました。
そしてその中で、特に印象に残っているのが、シェムリアップの地元市場で出会った「ある一皿の料理」と、それを作ってくれた優しいおばあちゃんの笑顔です。
早朝6時、まだ観光客の姿も少ないローカルマーケットを歩いていると、炭火の香りに惹かれて屋台に近づきました。そこにあったのは、見た目こそ素朴だけれど、湯気の立ち上るクメール風スープ麺「クイティウ」。
たった1.5ドル。その場で注文すると、おばあちゃんは丁寧に野菜と麺を湯がき、ナンプラーの香りを加え、仕上げに甘辛い豚肉を乗せてくれました。
その一口目、驚きました。観光ガイドには載っていない、心に染みるような味。ほんのり甘くて、でもしっかり旨味があって、疲れていた体がスッと軽くなるような感覚。
食後に「オイシイ?」と日本語で笑ってくれたおばあちゃんの笑顔が、今でも忘れられません。カンボジアという国の“人のあたたかさ”と“食のやさしさ”を、あの一杯が教えてくれたように思います。
5. Q&A|カンボジア旅行でよくある質問とその答え
Q1. カンボジアのチップ文化はあるの?
A. 基本的には「必須」ではありませんが、観光地や高級レストラン、スパ・マッサージ店ではチップを渡すのがマナーです。目安としては、食事で1ドル前後、マッサージでは2〜5ドルほどが一般的です。ホテルのポーターやルームサービスにも1ドル程度渡すとスマートです。
Q2. 治安は大丈夫?夜歩きは危険?
A. 観光エリア(シェムリアップやプノンペン)では、基本的に治安は良好ですが、スリや置き引きなどの軽犯罪には注意が必要です。特に夜間のひと気の少ない路地や、スマホを持ったままの移動には警戒を。女性の一人歩きや夜の徒歩移動は避けるのが無難です。
Q3. クレジットカードは使える?現金は必要?
A. 高級ホテルやレストラン、大型の土産店ではクレジットカードが使えますが、ローカル屋台や小さなカフェ、市場では現金(米ドルかカンボジアリエル)が主流。現地では「米ドル」がほぼ通用するので、1ドル紙幣を多めに持っていくと便利です。
Q4. 水道水は飲めるの?
A. カンボジアの水道水は飲用には適していません。歯みがき時にもペットボトルの水を使うのが安全です。スーパーやホテル、屋台でもミネラルウォーターは安価に手に入ります(500mlで0.5ドルほど)。
Q5. SIMカードやWi-Fiはどうするのがベスト?
A. SIMカードは空港やコンビニで手軽に購入可能。通信速度も安定しており、7日間で2〜5ドルと非常に安価です。空港での購入が最もスムーズで、日本語対応スタッフがいることも。心配な方は日本でレンタルWi-Fiを手配して行くのも安心です。
6. まとめ|カンボジア旅行をより安心・お得に楽しむために
カンボジアは、歴史的遺産と素朴な魅力、美しい自然、そして温かな人々に出会える旅先です。物価も安く、グルメや観光、ショッピングまで、限られた予算でも十分楽しめるのが魅力。とはいえ、快適に安全に旅を楽しむには、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。
治安面ではスリやひったくりなどに注意を払い、スマホの管理や夜の移動に気をつけること。また、水事情や衛生環境にも配慮して、飲み水や食事選びには慎重さが必要です。
さらに、現地通貨として「米ドル」が広く使える点や、チップ文化、SIMカード事情なども事前に知っておくと安心です。
初めての方でも、この記事を参考にすれば、現地での不安を減らし、心から旅を楽しむことができるはずです。ぜひ、カンボジアであなた自身の物語を見つけてください。