目次
1.インド・ニューデリーのおすすめグルメ
インドの首都・ニューデリーは、政治と経済の中心であると同時に、グルメの宝庫でもあります。数千年の歴史と多様な文化が融合したこの街では、北インド料理をはじめ、南インドやムガル帝国由来の料理まで、豊富な食の伝統を味わうことができます。中でもカレーやビリヤニは世界的に有名ですが、実際に現地で口にすると、日本で味わうそれとはまったく異なるスパイスの奥深さと香りに驚かされるでしょう。
ニューデリーの食文化の魅力は、レストランだけでなく、街角の屋台やマーケットにも広がっています。オールドデリーに足を踏み入れると、チャンドニー・チョークの狭い路地に無数の屋台が軒を連ね、チャートやサモサの香ばしい匂いが漂ってきます。反対にコンノート・プレイスなどの中心エリアには、観光客向けの高級レストランが立ち並び、清潔で洗練された雰囲気の中で伝統料理を楽しむことも可能です。こうした二面性が、ニューデリーのグルメ体験をより一層豊かにしています。
また、インド料理はベジタリアンにも優しい点が特徴的です。豆や野菜を使った豊富なカレー、パラタやロティといったパン類、さらにはスイーツまで、動物性食材を使わない料理が数多く揃っており、宗教やライフスタイルに合わせた選択がしやすいのも魅力のひとつです。辛さが気になる人も、レストランによっては辛さを調整してくれるので安心して注文できます。
さらに、食後に欠かせないのが「マサラチャイ」。甘くスパイシーなお茶は、旅の合間にほっと一息つける存在であり、現地の人々の暮らしに溶け込んだ味です。ニューデリーを訪れる際には、ただ観光地を巡るだけでなく、ぜひ現地の食を通じて文化や生活の息遣いを感じてみてください。
本記事では、【2025年最新版】として、ニューデリーでおすすめのグルメ10選を厳選して紹介します。バターチキンやビリヤニといった定番はもちろん、地元民に愛されるローカルフードや甘味まで幅広く取り上げ、さらにおすすめエリアや実際に訪れた体験談も交えて解説していきます。初めてニューデリーを訪れる方も、リピーターの方も、この記事を読めば「次に食べたい一皿」がきっと見つかるはずです。
2.ニューデリーで絶対に食べたいおすすめグルメ10選
2-1. スパイスの奥深さを堪能「バターチキンカレー」
ニューデリーで必ず味わいたいのが、世界的にも有名な「バターチキンカレー」です。ムガル帝国時代の宮廷料理をルーツに持つこの料理は、濃厚なトマトベースのソースにバターと生クリームをたっぷり加え、鶏肉をじっくり煮込んだもの。日本で食べられるカレーと比べると、スパイスはしっかり効きながらも辛さは控えめで、誰でも食べやすいマイルドな味わいです。
特に有名なのが「モティ・マハル(Moti Mahal)」というレストラン。ここはバターチキン発祥の店として知られており、現地の人から観光客まで幅広く愛されています。濃厚でクリーミーなソースがナンと絶妙に絡み、思わずおかわりしたくなる一皿です。旅行者にとっては「本場の味」を体験できる貴重な機会となるでしょう。
2-2. 香り豊かなライス料理「チキンビリヤニ」
次に紹介するのは、インドの代表的な米料理「ビリヤニ」。ニューデリーでは、特にチキンビリヤニが人気です。バスマティライスという長粒米を使い、鶏肉やスパイス、ハーブを層状に重ねて蒸し上げることで、香り高く、ふっくらとした仕上がりになります。
ビリヤニの魅力は、一口ごとに広がる奥深い風味。カルダモンやクローブ、シナモンといったスパイスの香りが立ち、口に入れた瞬間に異国情緒を感じられます。ニューデリーには「バリュー・ビリヤニ(Biryani By Kilo)」のような専門店も多く、テイクアウトやデリバリーで楽しむ人も多いです。日本ではなかなか出会えない独特の香りと食感は、旅の思い出に強く残るでしょう。
2-3. 行列必至!人気ストリートフード「チャート」
ニューデリーを訪れたら、ぜひ挑戦したいのが屋台フード。その代表格が「チャート」です。揚げた生地にじゃがいもやひよこ豆、ヨーグルト、タマリンドソースをかけたスナックで、甘さ・酸味・辛さ・塩気が一度に楽しめるカオスな味わいが魅力。
特に有名なのが、オールドデリーの「ハルディラム(Haldiram’s)」や「ジャイプール・スイーツ」。清潔で観光客でも安心して食べられる店舗が増えているため、初めての方でも挑戦しやすいです。少し勇気を出して屋台で試せば、インドの庶民の暮らしにぐっと近づける体験になるでしょう。
2-4. 朝食の定番「パラタ」
インドの朝を彩るのが「パラタ」と呼ばれる平たいパン。小麦粉を練った生地にじゃがいもやカリフラワー、チーズなどの具を包んで焼き上げるため、食べごたえも抜群です。ニューデリーでは、朝の屋台や食堂で気軽に食べられ、旅人の胃袋を満たしてくれます。
「パラタワーリ・ガリ(Paranthe Wali Gali)」という通りは、パラタ専門店が集まる場所として有名で、観光スポットにもなっています。素朴ながらも、焼き立ての香ばしさと中から溢れる具材の旨味は忘れられない味。地元のチャイと合わせれば最高の朝食体験になるでしょう。
2-5. 辛さと旨味がクセになる「マトンカレー」
インドのカレーといえばチキンやベジタリアン向けが定番ですが、ニューデリーでぜひ挑戦したいのが「マトンカレー」。山羊や羊の肉を使ったこの料理は、濃厚なスパイスと肉の旨味が融合し、パンチの効いた味わいが特徴です。辛さは強めですが、後からじわじわ広がる深みがクセになります。
おすすめは「カリーム(Karim’s)」という老舗レストラン。オールドデリーのジャマ・マスジッド近くにあり、100年以上続く名店として知られています。肉の柔らかさとスパイスの調和は絶品で、まさにニューデリーの伝統を味わえる一皿です。
2-6. タンドール窯で焼き上げる「ナン&ロティ」
カレーと一緒に欠かせないのが「ナン」や「ロティ」。タンドール窯で高温で焼き上げられたナンは、外はパリッと、中はふんわりモチモチ。ロティはより素朴で全粒粉を使い、香ばしく軽い食感が特徴です。
現地ではカレーを注文すると、ナンやロティと一緒に食べるのが一般的。ニューデリーのレストランでは、ガーリックナンやチーズナンなどアレンジも豊富です。シンプルながら主役級の存在感があり、旅の思い出の味になるでしょう。
2-7. 庶民派フードの王様「サモサ」
揚げ餃子のような形をした「サモサ」は、ニューデリーの庶民にとって定番の軽食です。中にはスパイスで味付けしたじゃがいもや豆が詰められており、パリッとした皮とホクホクの具材が絶妙。1個10〜20ルピー程度で買える手軽さも魅力です。
観光客に人気なのは「ハルディラム」などのチェーン店。清潔な環境で安心して食べられるため、初めてインドのストリートフードを試す人にもおすすめです。
2-8. 南インドの味も楽しめる「ドーサ」
ニューデリーは北インド料理の本場ですが、南インド料理も人気。特に「ドーサ」は、米と豆を発酵させた生地を薄く焼いたクレープのような料理で、サンバル(豆と野菜のカレー)やココナッツチャツネと一緒に食べます。
ニューデリー中心部には南インド料理レストランも多く、軽食としても朝食としても親しまれています。パリッとした食感と独特の酸味が新鮮で、スパイスに慣れてきた旅の後半に食べると良いリフレッシュになるでしょう。
2-9. 甘党必見!濃厚デザート「グラブジャムーン」
インドスイーツの代表格が「グラブジャムーン」。小麦粉やミルクパウダーを練った生地を揚げ、カルダモンやローズウォーターのシロップに浸したものです。外はしっとり、中はふわっとした食感で、強烈な甘さが特徴。
インドの人々にとってはお祝いの席に欠かせない伝統菓子で、レストランの食後やスイーツショップで気軽に味わえます。日本人には少し甘すぎると感じることもありますが、一度は試してみたいインドらしいデザートです。
2-10. 旅の疲れを癒す「マサラチャイ」
ニューデリーを歩き回った後に飲みたいのが「マサラチャイ」。紅茶にミルクと砂糖、そしてシナモンやカルダモンなどのスパイスを加えた、インドを象徴する飲み物です。街角のチャイ屋台では、小さな素焼きのカップで提供されることもあり、雰囲気も楽しめます。
香り高く、甘さとスパイスの刺激が絶妙なマサラチャイは、旅の疲れを癒す一杯。地元の人々と一緒にチャイを飲みながら過ごす時間は、ニューデリー滞在の中で最も心に残る体験のひとつになるはずです。
3.グルメをより楽しむためのおすすめエリアとレストラン情報
3-1. オールドデリーの名物屋台街「チャンドニー・チョーク」
ニューデリーの食文化を肌で感じたいなら、まず足を運ぶべきはオールドデリーの「チャンドニー・チョーク」。ここはインド随一の活気あふれる市場エリアで、細い路地に無数の屋台や食堂が立ち並びます。昼間から夜まで、人の波と香辛料の香りに包まれながら歩くだけで圧倒されるはず。
このエリアでは、チャートやサモサといったスナックをはじめ、マトンカレーやビリヤニなど本格的な料理まで幅広く楽しめます。特に「カリーム(Karim’s)」は地元民も観光客も訪れる有名店。100年以上続く伝統の味を求めて行列ができるほどの人気です。少し勇気を出して屋台に挑戦すれば、インドの日常をダイレクトに味わえる特別な体験となるでしょう。
3-2. 高級レストランが集まる「コンノート・プレイス」
観光客に人気のエリア「コンノート・プレイス」は、円形に広がる美しい街並みに多くのレストランやカフェが集まっています。ここでは屋台の庶民的な雰囲気とは対照的に、清潔で洗練された空間でインド料理を味わえるのが魅力です。
特に「モティ・マハル(Moti Mahal)」は、バターチキン発祥の地として世界的に知られており、旅行者が必ず訪れるべき名店のひとつ。また、国際的なレストランチェーンやモダンインド料理を提供する店も多く、初めてのインド旅行で衛生面が気になる方にも安心です。ショッピングや観光の合間に立ち寄りやすい立地も嬉しいポイント。
3-3. 地元民が通う穴場マーケット「ラージパトナガル」
観光客で賑わう有名エリアから少し離れて、ローカルな雰囲気を味わいたい方におすすめなのが「ラージパトナガル(Lajpat Nagar)」。ここは地元の人々が日常的に訪れるマーケットで、衣料品や雑貨だけでなく、庶民的な食堂やスナック屋台が軒を連ねています。
特に安くて美味しいパラタやドーサが人気で、地元の人々と肩を並べて食べることで、観光地では味わえない素朴な魅力を体験できます。また、値段交渉をしながらの買い物も楽しく、食と文化が一体となったインドらしいひとときを過ごせるでしょう。
4. 私の体験談
私が初めてニューデリーを訪れたのは数年前のことでした。インドといえば「カレー」という漠然としたイメージしか持っていませんでしたが、実際に足を運んでみると、その食文化の奥深さと多様さに圧倒されました。
まず印象的だったのは、オールドデリーのチャンドニー・チョークで食べたチャートです。小さな屋台で紙皿に盛られたその一皿は、甘さ・酸味・辛さが同時に押し寄せてきて、最初は驚きの連続でした。けれども食べ進めるうちにその“混沌のバランス”に魅了され、気づけばもう一皿追加していたほどです。現地の子どもたちや買い物帰りの女性たちと同じものを食べていると、観光客というより一人の「街の一部」になったような気がしました。
また、忘れられないのがコンノート・プレイスの「モティ・マハル」で食べたバターチキン。日本でも何度も口にしたことがある料理でしたが、本場の味は別物でした。濃厚でありながらスパイスが立体的に香り、クリーミーなソースがナンと絡んだ瞬間、言葉を失うほどの美味しさでした。旅行中、一度だけでは足りず、最後の日にもう一度訪れてしまったほどです。
さらに、地元の人々に混ざって飲んだマサラチャイも心に残っています。夕暮れ時、マーケットを歩き疲れた体を休めるために立ち寄ったチャイ屋で、素焼きのカップを手にした瞬間、立ち昇るスパイスの香りが心まで温めてくれました。隣に座った学生が「ようこそインドへ」と笑顔で声をかけてくれた出来事は、ニューデリーでの食体験を単なる「味わう」だけでなく「人と繋がる」時間へと変えてくれました。
ニューデリーのグルメ体験は、単なる食事以上の意味を持っていました。味覚を刺激するだけでなく、文化を知り、人の温かさに触れ、旅の記憶に深く刻まれる体験だったのです。
5. Q&A
Q1. ニューデリーのグルメは辛すぎませんか?
A. インド料理はスパイスを多く使うため、辛いイメージがありますが、実際には料理によって辛さの度合いはさまざまです。バターチキンのようにマイルドで食べやすいカレーも多く、レストランによっては辛さを調整してもらえることもあります。辛いものが苦手な方は、注文時に「ノースパイシー」と伝えると安心です。
Q2. 屋台で食べても大丈夫ですか?
A. 屋台グルメはニューデリーの醍醐味ですが、観光客は衛生面に注意が必要です。水が生ものに使われていないか、調理場が清潔かを確認し、回転率の高い人気店を選ぶと比較的安全です。不安な場合は、清潔な環境で調理されたチェーン店(例:Haldiram’s)でチャートやサモサを試すのがおすすめです。
Q3. ベジタリアンでも楽しめますか?
A. はい、ニューデリーはベジタリアンにとって天国のような場所です。インドは宗教的理由で菜食を選ぶ人も多く、豆や野菜を使ったカレー、ドーサ、パラタなど、動物性食材を使わない料理が豊富に揃っています。ほとんどのレストランでベジタリアンメニューがあり、安心して楽しめます。
Q4. 一食あたりの予算はどのくらい?
A. 屋台や庶民的な食堂なら50〜200ルピー(100〜400円程度)で十分に満足できます。観光客向けレストランや高級店では500〜1500ルピー(1,000〜3,000円程度)が目安。高級ホテルのレストランになるとそれ以上かかりますが、屋台とレストランを組み合わせれば、幅広い価格帯で楽しめます。
Q5. 甘いデザートはどこで食べられますか?
A. スイーツは街中の「ミタイショップ(菓子店)」やレストランで手軽に食べられます。特に「グラブジャムーン」や「ラッシー」は定番。マーケットの一角で出来立てを買って食べるのもおすすめですが、初めてなら清潔な店を選ぶと安心です。
6.まとめ
ニューデリーのグルメは、ただ「食べる」だけでなく、旅そのものをより豊かにしてくれる体験でした。バターチキンやビリヤニといった有名料理から、チャートやサモサなどの庶民派ストリートフード、さらにはマサラチャイやインドスイーツまで、あらゆる場面で味覚と文化が融合しています。
特に印象的なのは、料理を通して「人との距離」が一気に縮まること。屋台で隣に立つ現地の人と同じチャートを頬張ったり、カフェでチャイを飲みながら学生と会話を交わしたり──。それは観光名所を巡るだけでは得られない、インドのリアルな暮らしに触れる瞬間でした。
また、ニューデリーの食文化は非常に多様で、ベジタリアン料理や南インドのドーサなど、インド全土の味覚が一度に楽しめるのも大きな魅力です。辛さが心配な方や衛生面を気にする方でも、注文時の工夫やレストランの選び方で安心してグルメを堪能できます。
旅行の思い出を彩るのは、景色や観光地だけではありません。食こそが、その国の文化や人々の暮らしを最もダイレクトに感じられる要素です。ニューデリーを訪れる際は、ぜひ勇気を持って屋台に挑戦したり、老舗レストランの伝統料理を味わったりしてみてください。きっとその一皿一杯が、旅の記憶を鮮やかに刻み込んでくれるはずです。
2025年最新版のグルメガイドとして、本記事を参考にニューデリーでしか味わえない食体験を楽しんでみてください。