目次
1. 「何もない」ことが、すべてを癒す
エジプトの最西端、リビアとの国境近くに位置するシワ・オアシス。
ここは、ピラミッドも神殿もない。
けれど、何もないという贅沢が、どこまでも深く、私たちの心身を整えてくれます。
乾いた大地に湧き出す泉。塩湖に映る夕陽。
夜になると、満天の星が、ただ静かに降り注ぐ。
五感を取り戻す旅が、ここから始まります。
2. シワ・オアシスとは?
2-1. 位置と特徴
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カイロから南西へ約750km(車で8~10時間)
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西方砂漠に浮かぶ“緑の孤島”
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かつてはアレクサンダー大王も訪れた「神託の地」
2-2. 文化と人々
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先住民族のベルベル系シワ人が多数を占め、独自の言語・習慣を持つ
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素朴で温かい人柄/外国人にも親切
3. 行き方と滞在のヒント
3-1. アクセス方法
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カイロから長距離バス or プライベートチャーター(休憩含めて10時間前後)
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途中は荒野が広がる一本道。食料・水・防寒具は必携
3-2. 宿泊スタイル
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エコロッジ(粘土やパーム素材の自然建築)が人気
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塩湖近くのリトリート宿では瞑想・星空観察ができる
✅「Adrère Amellal」は電気なし&キャンドルの超ラグジュアリーエコステイ(要予約)
4. シワ・オアシスの癒しスポット10選
4-1. グレートソルトレイク(塩湖)

鏡面のように空を映す絶景スポット。
✅ 足を浸けると、エネルギーがスーッと流れるような感覚
✅ 朝焼け・夕暮れ・星空すべてが神秘的
4-2. クレオパトラの泉
かつて女王が入浴したとされる天然温泉。
✅ 地元の子どもたちも水浴びしている憩いの場
✅ 身体を浸すと、血行が一気に巡る感覚あり
4-3. 神託の神殿(アムン神殿跡)
アレクサンダー大王が“神の子”の認定を受けた場所。
✅ 神殿跡に立つと、風が突然止まり、気配だけが残る不思議な感覚
4-4. シワの旧市街(シャリ要塞跡)
かつて泥と塩で作られた要塞都市。
✅ 夕陽の時間に登れば、オアシス全体を見渡せる絶景
4-5. 塩の泉(Floating Salt Pools)
死海のように体が浮く、不思議な塩泉。
✅ “地球に浮かぶ”ような体験で、筋肉の緊張がほぐれる
4-6. サンドボード体験(砂丘)
✅ 童心に返る快感/体幹バランスや呼吸法にもつながる
4-7. 温泉&冷泉ツアー(Desert Bathing)
砂漠の中に点在する泉をめぐるヒーリングアクティビティ
✅ 温冷交代浴で自律神経が整う感覚を実感
4-8. 星空観察(ナイトツアー or 自由観察)
✅ 音も灯りもない、完全な闇の中で見る星の多さに言葉を失う
4-9. シワ市場(Souq)
ローカルなデーツ、オリーブオイル、塩、手工芸品が並ぶ小さな市場
✅ 質が高く、温かいコミュニケーションも魅力
4-10. ヌビア砂漠のサイレント・ウォーク
✅ 音を立てずに沈黙で歩く瞑想トレッキング
✅ 大地と一体になるような、整う体験
5. 鍼灸師の視点|沈黙が氣の治癒を促す
シワでは、ほとんど会話をしませんでした。
なぜなら、沈黙の中にこそ、整える力があると感じたからです。
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塩湖での無音の瞑想
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神殿跡での音なき共鳴
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星空の下での氣の統合感
この地は、東洋医学でいう「腎」と「肺」を強く整える場所。
腎=生命力の源(塩・水・静寂)
肺=呼吸・感情の浄化(風・空・涙)
滞在中、呼吸は深まり、目は澄み、感情がほどけていくのを体感しました。
6. Q&A|旅の注意点とヒント
Q. 1人でも行けますか?
A. 行けますが、アクセスが特殊なのでツアーやガイド付きが安心。
Q. Wi-Fiや電波は?
A. 多くの宿では不安定か圏外。“つながらない”時間を楽しむ覚悟が必要。
Q. 食事はどう?
A. オーガニックなオリーブ・デーツ・野菜・羊肉中心。優しい味が多いです。
7. まとめ|「何もない」からこそ、すべてが整う
シワ・オアシスは、エジプトの中でも異次元の体験ができる場所。
遺跡も観光名所も超えて、「沈黙の中で自分に還る旅」が、ここにはあります。
呼吸が整い、感情がほどけ、魂が静かに目を覚ます。
それはきっと、旅する鍼灸師が最後にたどり着く氣の聖地なのかもしれません。