目次
1. 祈りと味が交差する国で
サウジアラビアと聞いて、「食」をイメージする人はまだ少ないかもしれません。しかし、実際にこの地を旅してみると、食文化の深さと豊かさに驚かされます。
遊牧民の知恵から生まれた保存食、礼拝と断食を軸にした食のリズム、そして紅海沿岸で育まれた魚介の味──
サウジの食卓には、宗教、歴史、環境、そしておもてなしの精神が息づいているのです。
本記事では、「サウジの味」を体感する完全ガイドとして、代表料理から屋台グルメ、伝統菓子、そしてラクダ肉の実食体験まで、1万字でたっぷりとご紹介します。
2. サウジアラビアの食文化の特徴とは?
2-1. イスラム教と食事の関係
サウジでは、イスラム教(スンニ派)の教えに従って、ハラール(許可された)食材のみが使用されます。
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豚肉・アルコールは禁止
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右手で食べるのが礼儀
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断食月ラマダンには日没後に食事
「食事は神に感謝する時間であり、身体と心を整える行為」というのが基本理念。
そのため、どの料理も滋味にあふれ、優しい味が多いのが特徴です。
2-2. 食事スタイルは分け合う文化
大皿に盛られた料理を、複数人で囲んで手やスプーンで食べるのがサウジ流。
「分かち合う」ことが、食の中心にあります。
☝️ひとことメモ:
カフェやレストランでも1人前が非常に多めなので、注文は控えめに。
3. 絶対に食べておきたい!サウジの代表料理10選
| 料理名 | 説明 | 特徴 |
|---|---|---|
| カブサ(Kabsa) | ラム肉とスパイスで炊いた長粒米の炊き込みご飯 | サウジの国民食 |
| マンタフ(Mantu) | ひき肉入り蒸し餃子 | 中央アジアの影響あり |
| ファタ(Fatta) | パンをスープや肉汁で煮込む | 断食明けの人気料理 |
| ハリーサ(Harees) | 小麦と鶏肉の粥状スープ | 消化によく、優しい味 |
| シャワルマ(Shawarma) | スパイス漬け肉のロールサンド | 屋台で人気No.1 |
| ラクダ肉の煮込み | 若いラクダの肉をスパイスで煮る | 特別な場で提供される |
| マグルーバ(Maqluba) | ご飯・肉・野菜を“ひっくり返して”出す料理 | 見た目も楽しい |
| ミネストラ(Minestra) | サウジ風野菜スープ | 野菜中心、家庭の味 |
| サンブーサ(Sambusa) | 揚げ三角パイ | 断食明けに大人気 |
| アラビックコーヒー&デーツ | コーヒーとナツメヤシの組合せ | おもてなしの象徴 |
4. ラクダ肉体験記|砂漠の赤身との出会い
4-1. ラクダ肉はどんな味?
実際に食べたラクダ肉の第一印象は、「ラム肉に似ているけど、もっとあっさり」。
赤身が多く、柔らかく煮込まれた部位はほろほろ。噛むごとにほんのりとした甘味が広がります。

🔥 実食した料理:
「ラクダ肉のトマト煮込み」+サフランライス
→ クセはゼロ。スパイスとハーブの香りが絶妙!
4-2. 鍼灸師としての体感
ラクダ肉は中医学で見ると、「温性」「補腎」「補中益気」に分類される食材。
実際に食べた翌朝、身体がポカポカして、呼吸が深くなったような感覚がありました。
☯️旅する鍼灸師のコメント:
「気虚」「陽虚」「胃腸虚弱」の人には特におすすめ。
5. 現地グルメスポット紹介
5-1. 高評価レストラン(リヤド・ジェッダ)
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Najd Village(リヤド)
伝統的な内装。床に座って食べるスタイル。 -
Al Khodariyah(ジェッダ)
地元民に大人気の家庭料理レストラン。 -
Mado(トルコ系カフェ)
デザートと紅茶が絶品。
5-2. ローカルスーク&屋台グルメ
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シャワルマ:サウジ版ケバブサンド。歩きながら食べられる
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サンブーサ:揚げたてアツアツ。中身は肉・チーズ・野菜
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スパイスティー:シナモンやカルダモンが効いて癒し系
🎒おすすめ持ち帰り土産:
デーツ(種類豊富)
カルダモン入りコーヒー豆
ザアタル(ミックススパイス)
6. 体験談|ラマダン中に味わった食の祈り
ちょうど私が訪れたのはラマダン中。日中はすべてのレストランが閉まり、空気には緊張感すらありました。
しかし、日没のアザーンが鳴ると同時に、一斉にテーブルが並べられ、スープ、デーツ、水──そして祈り。
初対面の家族に「一緒に食べましょう」と声をかけられ、私はその食卓で静かに手を合わせました。
食事は、生きるための栄養補給ではない。
誰かと心を通わせ、神に感謝する祈りの時間なのだ。
7. お茶文化とデーツの世界
7-1. アラビックコーヒー(ガフワ)
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コーヒーといってもカフェインは弱め
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カルダモン・サフラン・クローブ入り
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金のポット(ダッラ)でサーブされ、小さな器でいただく
☕ 一緒に出されるのが「デーツ(ナツメヤシ)」
甘さと苦味の絶妙なバランスがクセになる!

7-2. デーツの栄養価と意味
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ビタミン、ミネラル、鉄分が豊富
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胃に優しく、断食明けの最初の食事に最適
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アラブ人の命を支えた果実
おすすめ品種:Ajwa(マディーナ産)/Sukkari(甘味強)/Khalas(濃厚系)

8. サウジと世界の料理の融合
近年、サウジアラビアは外国人労働者・観光客の増加により、多国籍な料理も楽しめるようになっています。
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インド料理(ビリヤニ・カレー)
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トルコ料理(ケバブ・ピデ)
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レバノン料理(フムス・タブーリ)
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エチオピア料理(インジェラ)
サウジの都市ではハラールフード・グローバルマーケットとして進化しているのです。
9. Q&A|よくある食の疑問
Q1. 食事で気をつけることは?
A. 「左手で食べない」「豚肉・アルコールはNG」を守ればOK。礼儀と敬意を。
Q2. ベジタリアンでも大丈夫?
A. 肉料理中心だが、野菜・豆・スープ類も豊富。対応できるレストランもあり。
Q3. 辛いものは多い?
A. スパイスは使うが、激辛ではない。香り重視。
Q4. 食あたりは大丈夫?
A. 高温多湿なので水や生物には注意。屋台は信頼できる場所で。
10. まとめ|食べることは生きることへの感謝
サウジアラビアの食文化には、単なるグルメでは表現しきれない「生きることへの感謝」が染み込んでいます。
それは断食を通じた「飢え」の理解であり、デーツと水で始まる「再生の儀式」であり、
知らない者同士が一緒に囲む「分かち合い」の精神でもあります。
私が体験したサウジの味は、身体に優しく、心を温め、そして人の距離を近づけてくれるものでした。